① 佐野の船橋 のおはなし

 

のんのんのふるさと高崎には、 長い歴史の中で

いろいろな物語や伝説が生まれているんだよ。

みんながいつも通りすぎてしまってる場所や、近くに当たり前にあるけど

あんまり良く知らないかも・・・といった場所を

これからのんのんが少しずつ紹介していくよ!

「へえ!」とか、「知らなかった!」など

高崎がまたちょっと好きになるかも!

 

烏川にかかる木橋。

そこには、切な〜い男女の

物語が隠されていた!?の巻

 

 

第1回目の場所を探しに、観音山のそばを流れる烏川を

ピューンと下ってみたよ。

聖石橋をくぐって、城南大橋を過ぎると、

上信電鉄の線路のそばに 木でできた橋が架かってるんだ。

車が通れない狭い橋なんだけど、なんだか周りの景色と

河原の風景がなじんでとっても気持ちいい!

 

橋の上から烏川の流れをのんびり眺められるし、自転車で行き交う

人にも自然と「こんにちわ!」と挨拶したくなっちゃうような、

のどかで少し懐かしい感じの橋。

橋の名前は「佐野橋」っていうんだ。

 

でも、今の時代にどうしてこのような橋が残っているのって?

 

実はこの橋にはね、 ある男女の

切ない「愛」の物語が言い伝えられているんだって。。

 

 

ーはるかむかし。

烏川をはさんで東の佐野に朝日長者、

西の片岡に、夕日長者と呼ばれる長者がおった。

ふたりの長者は、たがいに力を競いあっておって、

すきあらば相手を滅ぼさんと、ねらっていたと。

その朝日長者には、おなみという美しい娘が、

夕日長者には、小次郎というりりしい若者がいた。

 

ある夏の夕暮れのこと。 烏川にかかる舟橋のたもとで、

おなみが侍女と月見草とつんでおると、

そこへ小次郎が、馬で通りかかった。

おなみをひとめ見た小次郎は、その美しさに心を奪われ、

おなみもまた、小次郎の若衆ぶりに、ほほをそめた。

次の日からふたりは、月見草のひらく夕べになると、

橋のたもとで、忍びあうようになった。

 

けどそのおう瀬はいつまでも、かくしとおせるわけもなく、

間もなく、長者たちの知るところとなった。

「朝日長者の娘などに、あうことはならん」

「夕日長者の小せがれに、娘はやれん」

 

長者たちの怒りはすさまじく、二度と会わんようにと、

おなみも小次郎も、それぞれの屋敷に、閉じ込められてしもたと。

ふたりの思いはつのるばかりだった。

 

ある夜、必死の思いで屋敷を抜け出したおなみは、

烏川の舟橋を、小次郎のいる館を目指して走った。

 

ちょうど、なつかしい舟橋の、中ほどまできた時だ。

 

とつぜんおなみの姿が、

「アァーッ!」

やみを切り裂く悲鳴ととともに、流れの中に消えた。

 

ふたりがあえんようにと、長者たちが使用人にいいつけて、

橋板を何枚かはずさせておいたのだ。

そこへ、おなみあいたさに、ひそかに屋敷を抜け出した小次郎がやってきた。

橋のたもとで、おなみの悲鳴を聞いた小次郎は、声のした方へ、

夢中で駆けた。 そして、はずされている橋板に気がついた。

 

「おなみっ、おなみーっ!」

 

足元のやみに向かって、小次郎は、声をかぎりに呼んだ。

しかし、かえってくるのは、どうどうと流れる、水の音だけだった。

 

おなみの死をさとった小次郎は、おなみの後を追って、

はげしい流れの中に身を沈めたと。

 

人々は、二人の死を、たいそうあわれみ、

『かみつけの佐野の舟橋とりはなし

親はさくれど、あ(吾)はさかるがえ

良 翁(りょうおう)』

 

などと歌に詠んだり、橋のたもとに、 観音像をたてたりして、

末永く供養したと。

(参照:小澤清子 高崎のむかしばなし)

 

 

う、う、う。。か、悲しい…。

そして、切なすぎるのん…。。

 

この物語はね、「佐野の舟橋」といって、

終わりに出てきた『』内の「船橋」という歌が元になっているらしいんだ。

万葉集に載っている歴史の深い歌だから、

きっと橋も大切に残されているんだね。

 

そして、毎年おこなわれる「たかさき能」に

今年はこの「船橋」の演目が登場することになったんだよ!

「能」の舞台をいままで見た事無い人も、

この機会に一度、日本古来の文化をたしなむのも素敵♪

ポスターの背景はこの佐野の「船橋」だのん! 

 

 

「佐野の船橋」は、ちょっと分かりづらい場所にある橋だけど、

見つけたら結構感動するかもしれないのん!

のんびりお散歩がてら楽しんでみてね!(MAP)

 

—第28回たかさき能 10/5(土)群馬音楽センター 午後3:00開演  詳しくは、たかさき能(薪能)実行委員会 090-9378-8224(実行委員会直通) または、ホームページ(www.takasaki-nou.jp)まで。